静岡の大学生1人1人にスポットを当て、彼らの人生・学生生活を紹介する学生図鑑in静岡! 身近にいるのに意外と知らない、静岡の大学生の活動をご紹介します。

挫折と自信喪失を経験した高校時代、心の支えとなったのは英語でした。覚えたいのは、スラング! 綺麗な英語じゃ物足りない。本格派男子がここにいます。

僕らの知っている英語は本物ではない


静岡大学教育学部4年の森谷太一郎です。静岡県焼津市の小中学校、藤枝東高校を経て、静岡大学に入学しました。高校の時は理系専攻だったんですが、英語の文法の構造をパズルのように解くことが楽しくなったのと、「英語しゃべれたらかっこよくね?」なんて思ったので、留学する人が沢山いる静岡大学の英語科に進みました。

日本人は「書くこと・読むこと」は得意なのですが、「聞く・話す」ことが苦手だと言われています。実際に僕もリスニングが苦手だったり……。高校の授業で、文法はできても話すことができない先生を見ていたりもして、留学して本物を学びたいと思ったんです。そして、2016年9月から、カナダのアルバータに留学してきました。


留学中・アルバータ大学

英語と日本語の決定的な違い


静岡大学では、海外の大学と国際交流をしています。僕は、選択肢の中でも、英語圏かつ、田舎っぽくないカナダのアルバータ大学を選びました。実際には田舎だったりして、思ってる場所とはちがっていましたが。  

海外のスーパーやレストランでは、日本と違って世間話をするんです。店員さんが何を言っているのか、何を返答すればいいのかわからない「聞けない・話せない」状態に。留学早々、日常生活を送ることへの不安と、本場の英語に殺されると思ってました(笑)  

また、英語は日本語でいうところの“敬語”という文化がなく、先輩後輩という感覚がありません。年上の人と話をするときに敬語を使わない違和感、「フレンドリー」な言葉という違和感、自分の言葉で尊敬を表現して伝えられない事に戸惑いを覚えたり。  

どのような場所でも様々な人と会話をするので、三か月ほどで「会話できない不安」が、「会話することの温かさ」に変わりました。英語にも、渋さや硬さ、カジュアルさとか、人によって個性があることを感じました。


留学中 語りの場

言葉で伝えるということ


英語には自分と相手を同じ土俵に立たせる力があって、接しやすく、話しやすいフレンドリーさがあります。日本語の敬語には、先輩を尊敬したり、後輩を可愛がることができる…… 相手と自分の立場を明確にしてくれる力があるんです。英語だから、日本語だから、伝えられる言葉や表現、生活があるんです。  

今よりもかっこよくなるためには、英語での個性の表現を勉強する必要があります。「聞く・話す」勉強をもっと実践して、自分を鍛えるためには、また留学して、更に海外の生活に踏み込まないといけなそうです。次はバイトでもして、海外で働けるくらいの力を身に着けたい。次はオーストラリアに行ってこようかな。

取材を終えて


「日本語でしか、英語でしか伝えられないことがある」私の友人は、いつの間にか詩人にでもなったのかというくらいに、“言葉で伝えること”を勉強してきたようでした。留学から帰ってきて感じたのは、話をしている最中に言葉を選ぶようになったということ。留学の影響なのかと思うと、“言葉”の重みを感じずにはいられない。


<取材・執筆>

近藤清也(常葉大学4年※取材当時)
大学に行く日が目に見えて減り、友達に駄弁る時間も減り、愛しさと切なさを我慢できずに、毎週飲み会を企画することで、心を強く持とうとしている大学4年生。

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