ドーモプラスがブレイク期待のアーティストを定期的に紹介!今回は、昨年末『本気で演りたい』の発売と共にメジャーデビューを果たした“QOOLAND”からボーカル平井 拓郎さんのインタビュー後編をお届け!印象に残っているライブや意外なアルバイト経験まで赤裸々に語っていただきました。

ものすごく絶対的な音が出てる


――QOOLANDは年間100本くらいのライブをしていた時期もありましたよね。やはりライブに重点を置いてらっしゃるんですか?

平井:そうですね。やはりライブが1番リアルなので。もちろんCDで伝わらないわけではないんですけど、色んな情報が圧縮されているので難しくなりますよね。ライブハウスの方が、情報がたくさんある。その環境で一点集中して1つのことだけを発信するっていうものは、知らないお客さんにも届くことがあります。僕たちの音楽が響く感性を持っていることが大前提ですけど、でもそういう人が1%でもいればベストセラーが作れると思ってるので。

『本気で演りたい』っていうタイトルのアルバムを作ったバンドの演奏が弛んでたら、たぶん伝わっちゃうんですよ、お客さんに。お客さんは楽器の素人だし、演奏の上手い下手なんてわからないよっていう話がありますけど……。わかるんですよ、絶対に。それが1番反映されるのがライブだからだと思うんですよね、ライブにこだわってるのは。

――これからもライブにこだわって活動していくQOOLANDが楽しみです。みなさんのスケジュールを見ていると、タフだなぁって本当に思います。

平井:他のバンドに比べるとライブ本数は多い方かもしれませんが、2011年とか2012年の方がひどかったですね(笑)。年間100本とかだったんで。お金がなかったので道とかで寝てましたし、移動もバスでした。今はダメだと思うんですけど、楽器とかもバスの中にいれて……。物販も全部バスの中にいれて、朝おきてガラガラひいてましたね。なんでそんなことしてたんだろう…(笑)。

――普通に路上で寝ていたんですか?

平井:道ばたですね。警備員の人に起こされましたね「ここ、寝るところじゃないんで。」って言われたので「わかってるねん!」って言い返しました(笑)。

名古屋では、トンネルで雨を凌いだりもしましたよ(笑)。ライブの打ち上げの後だったかな……。打ち上げって深夜0時から2時くらいまであるんですけど、東京に戻るバスが来るのが朝の6時なんですよ。4時間どうする?ってなったんですけど、その時は漫画喫茶にいくお金すらなくて。雨を凌ぐために地下通路に移動して、4人でずっとバンド名しりとりをしてましたね。

――今までのライブで特に印象深いライブはありますか?

平井:どうしても最新のライブがベースになっちゃうので難しいんですけど、しいてあげるなら合宿後1発目のライブですかね。11月頃メンバーで合宿に行ったんです。全員で禅を組んだり、1日100曲同じ曲ばかりを演奏したり、縄跳びしたりとかして4人だけで過ごして。

帰ってきて1本目のライブで「風の歌」を演奏したんです。演奏後にめちゃめちゃ良かったねって4人で話したんですけど、後々それを聞き直したらテンポがめちゃめちゃ速くて(笑)。スタッフからは「全然いいライブじゃなかった」「自分達だけでやってる自己中心的な印象をうけた」って言われました。でも、それって大きい変化だなって思ったんですよ。

めちゃめちゃテンポが速いのに誰も気づかないっていうのは、みんなが同じ状態・テンポ感にあるんですよね。ものすごく絶対的な音が出てるというか。総体的に判断して、そういう音が鳴らせるバンドになったんだなって。これは絶対に良くなるって思いましたもん。本当に印象的でしたね。そんな感覚はなかったです、今までには。もちろん、これじゃ伝わらないからちゃんとやろうってなって、練習はし直しましたよ(笑)。

――QOOLANDが動いた瞬間を感じたライブになったということですね。

平井:5周年記念のライブは、お客さんが喜ぶすごい良いライブでしたけど、自分たちがこれから変わっていくっていう意味だったらその1本でしたね。

――バンドとして良い風に変わり続けていくためのコツはなんでしょうか。

平井:僕ら4人でよく話すんですよ。なんかしっくりこなかったりすると、「なんでやと思う?」って。
僕、前に調べたことがあるんですけど、“なぜか”っていうのは絶対に言語化できないらしくて。“何”っていうのは、絶対にわかるらしいんですよ。

だから僕たちはそのことを踏まえて、4人で“なんで”って話を集めてるんですよね。たくさん素材があれば、正確に近づくじゃないですか。打率的に。「なぜかなぁ」という話を、ずーっと続けてるので、ずーっと変わり続けてるんだと思います。



メイドカフェで歌を歌うバイトもしてましたね。


――平井さんはアルバイト経験が豊富だと伺いましたが、今までどんなことをされてきたんですか?

平井:コンビニ、ファーストフード、皿洗い、ポスティング、テレアポ、家庭教師。家庭教師をしていた時に見ていた生徒が3人いたんですけど、見事に全員落ちてましたね……。面白いのだと、ずっとエクレアを並べ続ける仕事とか(笑)。メイドカフェで歌を歌うバイトもしてましたね。萌え萌えじゃんけんの伴奏もしたりして、面白かったですね。後はバスケットボールの選手とか。

――バスケットボール選手をアルバイトでしていたんですか?

平井:テレアポのバイトをしていた時に東日本大震災に遭いまして、その影響で電話がかけられなくなったんです。でもスタッフをクビにすることはできなかったみたいで、10時にタイムカードを切って19時に戻ってきてくれればいいからなんかしてろって言われて。その時のバイトメンバーでバスケしようぜってなって、週5でバスケしてました(笑)。時給1,250円で半年くらいずっとバスケしてたんで、けっこう上手くなりましたね。リーグ戦みたいなのを作ってやってました。

――本格的な感じですね。1つ1つのバイト先で働いている期間が短いと思うのですが、それは飽きてしまうからですか?

平井:働いているとどうしても、怒られたりするじゃないですか。その時に、やめちゃおって(笑)。怒られるからかなぁ、めんどくさいなぁって。高2の時にファーストフードで働いていたんですけど、高1に怒られて辞めましたね(笑)。

僕がいたファーストフード店には、アルバイトがランクづけされていて。そうなると、どうしても存在するじゃないですか、カーストが。僕を怒った高1の子は僕より1つ上のランクだったんですけど、同じ職場にお兄ちゃんがいたんですよね。そのお兄ちゃんが1番上のランク保持者で(笑)。ってなると、どうしても高1の子は期待の新人ってなるじゃないですか。あの人の弟やぞって。その期待の新人に「ちゃんとやってくださいよ」って言われて、1番下のランクのまま辞めました。ちゃんとやってなかったんで、怒られたんでしょうけど(笑)。

――メンバーのみなさんも、平井さんと同じような働き方をされていたのですか?

平井:僕だけですね(笑)。うちのドラムのタカギとかは、絶対に1番上まで行くんですよ。それこそリーダー的なところまで。純君も昔からバーテンダーをずっとやっていて、やっぱり偉いとこまで行ってますし。僕は偉いとこまでいったこと、1度もないですね(笑)。

――1番直近のアルバイトは何をされていたんですか?

平井:アルバイトは2014年にやめてるんですけど、1番最後にしたのは通信回線を売る仕事です!電話で通信回線を売るんですけど、僕こう見えて得意なんですよ。コツは明るく元気に電話することですね(笑)。
そこの会社に2個登録していたので同時に事務もやってました。営業をサポートする仕事と、会社の営業。それが最後でしたね。きつかったなぁ…。

――電話で営業するのは、本当に大変そうですよね。それを乗り越えられれば、他のアルバイトはなんでもできてしまいそう……。

平井:そうですね。なんでもできるような気がします(笑)。実はその時の掛け声が、QOOLANDのライブ前の掛け声にも影響してるんですよ。

――平井さんが、やってみたかったアルバイトは何ですか?

平井: やりたかったのは、不動産。不動産の仕事をしていたら、家に詳しくなりそうじゃないですか。他だとホテルのフロントも興味あるんですよねー。意外と週2とかが多いから働きやすそう!なんでバイトって、こんなに面白そうなんでしょうね。あとはフェスに出演者とアルバイトの両方で参加したら、めっちゃ面白いだろうなぁって思ったりしたり。バンドの休憩中にバイトに行ったりして (笑)。

――いろいろなアルバイトを経験されてますが、小さい頃の夢は何だったんですか?

平井:花屋さんですね。道端に生えてる花を売ればいいって、めっちゃ楽な流通の仕事だなって思ってました(笑)。あとは神戸出身なので、オリックス・バファローズに入ってイチローさんと一緒にチームを優勝させたいと思ってました(笑)。なのでイチローさんが、アメリカに行ってしまったのはショックでしたね。どっちみちお前無理や!って感じですけど(笑)。 



ちょっと違う見方もあるんじゃない?って示唆してくれるような本を読んでみるといい


――平井さんはホンシェルジュをされていると思うのですが、学生さんにオススメの本はありますか?

平井:そうですね。学生までって物語を読むことが多いかなって思うんです。業界で1番売れてるのがコミックスで、その次が小説。オススメするなら、それ以外の本ですかね。ビジネス書だったりとか、そういうものを読んだら意外と面白かったりするんじゃないかな。

――オススメのジャンルはありますか?

平井:「感謝をするといいよ系の本」ってよくあるじゃないですか。あれですかね。どういう法則があるのかは知らないですけど、良い状態のとこで過ごすと良いことが起きる的な内容の本。

高校生までは人のせいにするんですよ、すべての失敗を。少なくとも僕は、そうやって生きてきたんで。僕に至っては、大学生のうちもそうしてましたけど(笑)。大学生くらいになると「もしかして自分に起きてる悪いこととか困ったことって、自分に責任があるんじゃないかなぁ?」って知能を持ち始める。だから、そういう言葉がすんなり頭に入ってくると思うんです。

高校生の時とか親が悪い、先生が悪い、全て社会が悪いって感じると思うんで。そういうジャンルの音楽を聴きますし。大学生になったら、ちょっと違う見方もあるんじゃない?って示唆してくれるような本を読んでみるといいと思います。




“無駄”や“無理”という言葉を、その音楽で打ち砕き前に突き進んできたQOOLAND。彼らがそのような言葉に臆することなく突き進むことができるのは、変わり続けることで最高の状態を常に更新しているからなのだと感じました。己の内面と向き合うという難しいことを“本気で”している彼らだからこそ、人々の内面の深いところに響く音楽ができるのでしょう。より高みを目指し進化し続ける彼らの強さを、ぜひライブで五感に焼き付けてみてください。

取材・文:坂井彩花
Photo:伊藤由岐

【プロフィール】

平井拓郎
QOOLANDのヴォーカル・ギター。2011年に川﨑 純(Gt)、菅 ひであき(Ba)、タカギ 皓平(Dr)とともにバンドを結成。
2013年にロッキング・オン主催コンテスト、 RO69JACKでグランプリを獲得。
2016年12月14日、ユニバーサルミュージックより、メジャーデビューアルバム『本気で演りたい』をリリース。

【LIVE】
2017/6/19(月) 新宿 Zico Tokyo
QOOLANDワンマンライブ「This is QOOLAND 1/4」


「QOOLAND」公式ホームページ
http://qooland.com/



【MV】「凛として平気」





心に届くエンターテイメントを求めて。 QOOLAND 平井 拓郎インタビュー【前編】
http://domonet.jp/plus/post?id=276

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