ドーモプラスがオススメのライブ・イベントを定期的に紹介。春の訪れは急にはやってこない。三寒四温を繰り返し、少しずつ春に向かっていく。寒い時期と暖かい時期を積み重ね春に向かっていくのは、きっと季節だけじゃないはずだ。私たちも楽しいことと苦しいことを積み重ね、少しずつ報われる春に向かっていく。2月20日横浜club Lizardにて開催された『BAYSIDE DIAMOND FESTIVAL 2017』は、QoNというバンドがつかみ取った1つの春そのものだった。そんな笑顔が満ち溢れ、春の陽気のような温かい空気に包まれたイベントの様子をお届けします。

KICK THE CLOCK



1バンド目に登場したのは“KICK THE CLOCK”だ。メロコアサウンドのSEにあわせて現れた彼らは既に気合十分。その凄まじい気迫が会場の奥まで押し寄せてきた。「Let’s Go!」の掛け声で始まったのは2ビートのリズムが気持ちいい『Wind』。ピコピコとした打ち込みと爽やかなメロディーの掛け合いがまさしくフロアに春一番を吹かせていた。観客のわくわくとした視線に応えるように、演者の勢いが増していく。続く『パンク・ロック・ヒーローズ』はSugi独特のギター音が冴えるナンバー。容赦なく頭をふる全身全霊の演奏が、観客を楽しさの極みへと導いていく。『サクラセツナ』はハイハットの4つ打ちで始まった。





Takuya(Vo.)が歌詞の1つ1つを紡ぐことで生み出されるメロディーは、まるで青空の下を舞う桜吹雪。アップテンポなバラードにより、心を薄桃色に染め上げた。そうかと思えば、『Freak on Freak-out』ではサイケデリックなメロディーを響かせる。ラストを飾ったのは、パンクビートの『Funny Sunny Day』。Takuyaの「準備はできていますか?」という掛け声に対し、会場には多くの手があがった。幕開けにふさわしい盛り上がりを生み出し、彼らはステージを去った。

アマリリス



陽気なSEにあわせて現れたのは、”QoN”と同じく横浜に活動拠点を置く“アマリリス”である。封を切ったのは、テレキャスターのカッティングが気持ちよく鳴り響く『Best of My Love』。90年代を彷彿させるポップ・ロックで、二本柳亮(Vo.)と大島朋佳(Ba./Ch.)の声の重なりも軽やかに響いた。休む間もなく『無重力トンネル』へと音楽は繋がれる。





セミアコの箱なりを最大限に活かしたギターソロが、一段と伸びやかに歌っていた。『パレット』は盟友“QoN”“RED DOG”と回ったツアーのファイナルで、3バンドのボーカルが一緒に歌った思い出の1曲。彼らきってのロックナンバーなだけあり、ベードラのビートが腹の底に響き渡った。3月20日に発売されるシングルのリードトラックである『Toys』、二本柳の歌唱力が余すことなく発揮される『スパイス』と続いていく。締めの1曲となったのは、ポップなメロディーなキラキラと輝く『ダ・カーポ』。リズム変化が激しい曲にも関わらず息のあった演奏を披露し、QoNにとって門出の1日を全身全霊のパフォーマンスで祝福して見せた。

RED DOG



続いてステージに立ったのは、名古屋の“RED DOG”だ。ワクワクしてしょうがないおかでぃー(Vo.)の顔には、1音目を鳴らす前から笑みが浮かんでいた。ハイハットの刻みで始まったのはキラーチューンである『逢いたくて』。会場からはクラップが沸き、それを見たおかでぃーが満足そうにGoodサインを送っていた。PRSのギターソロがレーザービームのように観客を打つ『Miss You Baby』、おかでぃーの少年っぽい声の良さが際立つ『スカイウェイブ』と披露される。





「QoNは愛しくて、リスペクトする存在。」というリードにより『感情リスペクト』は始まった。ユウキ(Ba.)のラップが入った前衛的な曲で、おかでぃーとの歌の絡みが面白い。途中ユキヤのギターストラップが切れるハプニングもあったが、それを物ともしないパフォーマンスにリスペクトの拍手が送られた。メロコアサウンドの『DISTANCE』を演奏し更に会場を温める。最後の曲になったのは「必ず輝けるから」と力強く歌う『WINNER』。全てのマイナス感情を吹き飛ばすような真っすぐなステージングは、すべての観客の心を明るく照らしたことだろう。

バンドハラスメント



“バンドハラスメント”は「素晴らしい日は、ここから始まる!」という宣言によりライブをスタートさせた。「新曲持って来ました!」というコールにより導かれた『脇役』では、井深(Vo.)の高音が会場の奥まで伸びやかに響き渡った。続く『君がいて』は切ない恋心が鮮やかに描かれたナンバー。何度も「君がいて」と繰り返す歌詞なのだが、そこに表現されている“君”は笑っていたり泣いていたり、思い出の中にいる彼女のすべてが詰めこまれていた。






早口言葉のような歌詞が特徴的な『アリバイパリナイ』では、ファンとの抜群なコンビネーションを披露。もう1つの新曲である『サヨナラをした僕等は2度と逢えないから』は井深の透き通った高音とシンセサイザーが生み出す壮大なバラード。活動的なリズムと穏やかな歌メロは一見アンバランスそうに感じるのだが、絶妙なバランス感を保って存在していた。楽器隊が鳴りやみ「ドクン・ドクン」となる心臓の音は、メンバーの鼓動をそのまま聞いているような感覚に陥るのでぜひライブ会場で聴いていただきたい。終曲となったのはキラーチューンである『君と野獣』。ラスサビの「僕のすべてを君に知られることが怖いけど」は会場中での大合唱になり、その爪痕をしっかりと残したのだった。

QoN



あっという間に4バンドのアクトが過ぎ去り“QoN”が登場する時刻となった。SEが流れると共に自然とクラップが沸き、今宵のヒーローを今か今かと待ち望む。メンバーが現れると大きな拍手が会場に巻き起こった。ステージ上で向かい合い、気合をいれるとショータイムのスタートだ。

挨拶代わりに披露されたのは、彼らにとって幕開けの曲の代名詞である『Prologue』。普段は控えめな辰巳優作(Ba.)も、この日ばかりは序盤から動き回り会場中を魅了した。初っ端からフルギアのパフォーマンスに、フロアからはキラキラとした視線が注がれる。いつも以上にグルーブある演奏は『Message』でも健在だ。ギタースクラッチにより始まる山口嵐(Gt.)のソロも、高音のフレーズと速弾きを駆使して豊かに歌い上げられた。それを後押しするかのように上林研太(Gt.)が笑顔でクラップを誘発する。




MCを挟み結ばれたのは『Brand New Days』。渡邊洋平(Dr.)により生み出される渾身のビートが、犬童一憲(Vo.)のまっすぐな歌声を力強く後押しする。フロントマン4人がステージに並ぶ姿は眩しくて、まるで少年漫画に登場するヒーローのよう。続く『Lilac』は会場全体で踊れるハッピーナンバー。彼らの音楽に合わせ、掲げられた手が波を描いていた。楽しい時間というのは瞬く間に過ぎ去り、とうとう最後の曲となった。ラストソングになったのは3月22日に発売するアルバムに収録されている『Precious』。先日MVも公開され、彼らが1番QoNらしい曲だと豪語する1曲だ。終盤の「La La La」と歌う場面では、会場が声で満ちる大合唱となった。手を抜くことを知らないフルパワーの演奏を最後の最後まで繰り広げ、ステージを後にした。 





しかし彼らが去ったあとも拍手は鳴りやまず、アンコールへと導かれた。演奏されたのは1stアルバムのリード曲である『Sign』。「進んでいこう、信じた仲間と共に」と紡がれた歌詞は、愛する仲間とこの日を迎えた彼らにこそ相応しい。最後の1音まで思いを込めて伝えつくし、堂々たるステージングでその力量を示したのだ。演奏が終わりメンバー全員が深々と頭を下げる中、高く掲げられて犬童のピースサインは完全燃焼したという意志そのものだった。


この夜、QoNは信頼する仲間たちと共に新たなステージへと踏み出した。その先には楽しいことも苦しいことも待ち受けているだろう。それでも彼らは諦めることなく進み続けるのだ、この日の思い出を胸に。未知なる可能性を秘めた彼らが“目を見張るほどの大輪を咲かす”、その日が今から楽しみでならない。

Photo:伊藤由岐

【バンドプロフィール】

KICK THE CLOCK
2014年結成。平均年齢20歳、
東京都立川発5ピースBAND。

2015年6月、バンド名を Jack In The Box から
KICK THE CLOCK に改名を発表。
都内立川・下北沢を中心にそのライブ活動は
更に勢いを増す。

国内外の往年のPop Punk バンドから
影響を受けた西海岸的な明るく激しいサウンドと
日本詞が織り成す邦楽的であり
親しみやすいメロディを掛け合わせる。

時に激しく、時にPOPに攻めるそのライブは
今後のライブバンドシーンのみならず、

"ラウドロックと邦楽ロックの
  架け橋になるポテンシャルを秘めている。"

【LIVE】
4/21(金)府中Flight fin(Septaluck) pre.『WAPP vol.3』


「KICK THE CLOCK」公式ホームページ



【MV】「パンク・ロック・ヒーローズ」






【バンドプロフィール】

アマリリス
2014年
2/13 アマリリスとして初ライブを行う
2015年
5/29 1st mini album"IRODORI"を会場限定でリリース
2016年
3/19 自身初となるワンマンライブを下北沢MOSAiCにて行い、ソールドアウトさせる
8/3 1st E.P"Entertainment"を会場・タワーレコード新宿店限定でリリース
9/30 skream!×Eggs主催で行われたSHE'S・Shout it Out・MAGIC OF LiFEのスリーマン"HAMMER EGG"にてオープニングアクトを務める
2017年
3/20 1st single"TOYS / Best of my love"を会場限定でリリース

【LIVE】
3/20(月祝)下北沢BASEMENT BAR
1st single「Toys / Best of My Love」Release party! 

「アマリリス」公式ホームページ



【MV】「Life is Beautiful」





【バンドプロフィール】

RED DOG
名古屋発、情熱と愛嬌溢れる4ピースロックバンド。
2014年1月結成。
2015年8月に未確認フェスティバル2015にファイナリストとして出場し、観客 2000 人の新木場コーストにて圧巻のライブで一気に注目を集める。
2016年2月に1stミニアルバム「Fanfare」をリリース。全国主要都市13ヶ所に渡るツアーを行い、4月に行われたツアーファイナルを200人以上の動員でソールドアウト。
8月にタワーレコード愛知4店舗にて「スカイウェイブ/DISTANCE」をリリース。
TANK! the AUDITION 2016に優勝し、TREASURE05X2016蒲郡ラグーナビーチ公演にオープニングアクトとして出場した。今名古屋でもっとも熱い若手バンド。

【LIVE】
3/3(金)今池3STAR
TAJITAJI pre, GEKISHA ROCK"

「RED DOG」公式ホームページ



【MV】「DISTANCE」





【バンドプロフィール】

バンドハラスメント
2015年11月名古屋にて結成した、エモーショナル ジャパニーズ ギターロックバンド。
平均年齢20歳。

結成わずか4ヶ月でBIGMAMAと共演し、
10ヶ月でSUMMER SONIC 2016に出演。
11月にはMETROCK ZERO への出演を果たした今、業界大注目の4ピースバンド。

ボーカル井深の鋭くもどこか温かさを感じる歌声が多くのリスナーの心を掴み、
初となるMusic Video「君と野獣」公開以降その知名度を全国区にする。

​10月には流通盤1st single「君がいて」のリリース、それに伴い初の全国ツアーを敢行。

彼らの勢いは名古屋に留まらない。

【LIVE】
3/13(月) 今池REFLECT HALL 雪見大陸 -episodel-
3/16(木) 心斎橋JANUS 雪見大陸 -episodel-
3/19(木) (名古屋)GOLD RUSH 2017


「バンドハラスメント」公式ホームページ



【MV】「君がいて」





【バンドプロフィール】

QoN
横浜発ロックバンド。メンバーは、Vo.犬童一憲、Gt.山口嵐、Ba.辰已優作、Gt.上林研太、Dr.渡邊洋平の5名。同じ高校の同級生で結成され、横浜を中心にライブ活動を続けている。ジャンルにとらわれない日本詞ロック、キャッチーなメロディーと熱い歌詞。“自分たちらしさを忘れない” をモットーに活動中、横浜QoN(クオン)。

【LIVE】
3/13(月)今池 REFLECT HALL 「#DIEFES DAY1 “SAIZENSEN” vol.2」
4/9(日)「KNOCKOUT FES 2017 spring」

【イベント】
3/25 14:00~「MOMENT」発売記念インストアイベント@TOWER RECORDS横浜ビブレ店



「QoN」公式ホームページ



【MV】「-Precious-」





<ライター>

坂井彩花
元楽器屋のお姉さんの経験を持つ音楽ライター。情景が浮かぶような、感情に働きかける文章が得意。中高で吹奏楽部、大学で軽音楽部に所属していた典型的な音楽だいすきっ子。ライブレポートやアーティストインタビューなど、積極的に活動している。

Twitter :@ https://mobile.twitter.com/ayach___
公式サイト: http://note.mu/color_music

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