ドーモプラスがオススメのライブ・イベントを定期的に紹介。今回は、2016年12月28日(水)~31日(土)の4日間幕張メッセで開催された、ロッキング・オン・ジャパン企画制作による日本最大の年越しロックフェスティバル「COUNTDOWN JAPAN 16/17」2日目(12月29日)。数ある出演アーティストの中から、ドーモプラス編集部オススメピックアップでライブレポートをお届けします。

レキシ



2日目、29日のEARTH STAGEトップバッターはレキシ。バンドメンバーが登場し演奏が始まると、池田貴史と共に、イルカの着ぐるみを着たキュウソネコカミのヤマサキ セイヤが登場。「KMTR645 feat.ネコカミノカマタリ」のキャッチ―な振付けとメロディに乗って、最初の1曲からこんなに盛り上がっていいの?というくらいに、会場の大合唱を誘っていた。


続く「年貢for you」では、THE BLUE HEARTSの名曲リンダリンダに合わせ、“年貢年貢~♪”と大合唱。「狩りから稲作へ」でも、尾崎豊やDREAMS COME TRUEの歌を盛り込み、会場の爆笑を誘った。華やかな羽織に着替えてからの「SHIKIBU」、ラストの「きらきら武士」でも、息の合ったバンド演奏とともに、CharaのモノマネやMISIAのEverythingを披露している。


こんなにも盛り沢山で遊び要素が満載なのに、ちっとも押し付けがましくなく、その場にいる誰もが笑顔になる。それはレキシの楽曲が持つ素晴らしさと、ただのおふざけで終わらないエンターテイナーの精神を持ち合わせているからだろう。まるで、年越し前に“豪華なのに胃もたれしないおせち”をお腹いっぱい食べられたような気持ちになる。ステージの光に照らされた稲穂が揺れる中、オーディエンスの笑顔も、きらきら輝いて見えた。

WANIMA



熊本県出身の3人組バンド、WANIMAがEARTH STAGEに登場すると、歓声が一気に沸き上がる。それだけでも、2016年の彼らの活躍を象徴しているように思える。KENTA(Vo/Ba)がリラックスした様子でおどけたポーズを見せた後、「BIG UP」でライブはスタート。続く「Hey Lady」でも、オーディエンスの誰もが一斉に歌い出す。懐かしさと親しみやすさを持ち合わせているのに、WANIMAにしか表現出来ないロックがそこにある。



「COUNTDOWN JAPANでまだやり残したことがある! この会場を照らしてないんだよ!」とFUJI (Dr/Cho)が叫ぶと、KENTAのお願いによって、会場中がスマホのライトで照らされる。幻想的な雰囲気よりもわくわくする気持ちが勝るような光の中、「ともに」がスタート。聴く者の迷いを吹き飛ばし、ちゃんとそばに居てくれる真っすぐさ。


中盤戦も「リベンジ」、「オドルヨル」、「いいから」と次々に畳みかけるが、どんなリズムでも、どんな歌詞でも、オーディエンスは一緒になって歌っている。目に焼き付いて離れない、メンバー全員の笑顔。それは肩に力が入っていないように見えるのに、“EARTH STAGEでみんなと歌いたい”という強い想いは痛いほど伝わって来るのだ。

KO-SHIN (Gu/Cho)のアルペジオにのせて、「THANX」の大合唱が始まる。必死に生きている全ての人達と、その人生にあった別れに向けて歌われているようで、こんなにも明るい曲調なのに涙が滲んでしまう。


KENTAが「来年も、何があってもみんなのことを応援しとるけん」と話し、「For you」でラストを飾った。その言葉とこんなにも優しい歌を思い出せる限り、2017年もやっていけそうだと思える、愛に溢れたステージだった。

BLUE ENCOUNT



リハーサルから全力で観客の興奮を誘ったBLUE ENCOUNTがGALAXY STAGEに登場し、「Survivor」でライブはスタート。鋭いギターフレーズに、冒頭から耳に残って離れないメロディが心地良い。英語詞と鮮やかな演奏が絡み合う「HALO」、ドラマの主題歌にもなった「LAST HERO」と続く。


田邊駿一(Vo.Gt.)が「見てわかるもんなんだな、確実に前回よりも人が増えてるよ!」と口にした通り、押し寄せたオーディエンスの数とその盛り上がりが、2016年も快進撃を遂げたBLUE ENCOUNTの活躍を象徴している。会場の全員に呼びかけてジャンプを求めた「JUMP」、間髪入れず「DAY×DAY」と、まさに全身全霊の歌と演奏をぶつけた。



「まだ不安で不安で仕方ないんだよ!お前らもっと力を貸してくれよ!」と呼びかけ、「もっと光を」へ。ここまで弱さをさらけ出せる強さは、きっとバンドにとってファンの支えが、どれだけ前に進むための光となるかを知っているから生まれるのだろう。


田邊は数日前に倒れて休養を余儀なくされ、医者に「しばらくライブはできない」と告げられていたことを話す。ファンの応援に支えられ、医者も驚くほどの回復を遂げ、年末フェスのステージに立つことが出来たのだ。「生き甲斐奪われて、戻ってきた奴だから言わせろよ! フェスがあるのも、こうやって笑ってるのも、当たり前じゃねえぞ! 生きろ!」というMCの後に、ラストの曲「NEVER ENDING STORY」へ。当たり前なんてない、今は永遠じゃない。だからこそ伝えたい気持ちは、終わらない物語を紡ぎ続ける。こんなにも多くの人とひとつになれる曲に出会えたことに、胸を揺さぶられる。

「 死ぬ気で生きて、全員また来年、ここじゃ小さいからEARTH STAGEで会おうぜ!!」と田邊が告げていったとおり、GALAXY STAGEに収まりきらないほどの歓声とエネルギーが会場を満たしていた。

sumika



リハーサルから、オーディエンスに全力のパフォーマンスと笑顔を届けていた片岡健太(Vo./Gt.)。COUNTDOWN JAPAN初出演のsumikaは、「Lovers」でスタート。前奏からわくわくして仕方ない輝きが溢れているうえに、一生自分の中で大切にしたくなる歌詞が耳に残る。


続く「MAGIC」、「ソーダ」。気づいたら口ずさんでしまうような、最高にポップなメロディと、これからの日々もsumikaの音楽があれば元気でいられる、と思える安心感が会場中を彩って行く。「ふっかつのじゅもん」では、メンバーの誰もが楽しそうに演奏しながら観客とコミュニケーションを交わし、一気にCOSMO STAGEをダンスフロアにした。


片岡は2015年、声が出なくなってしまった時期もメンバーに支えられた経験に触れ、「演奏しに来たんじゃなく合奏しに来た!」という一言で、ラストの「「伝言歌」」へ。曲中に片岡が告げる“愛してます”には、きっと感謝も命を懸けて想いを伝える覚悟も備わっているから、こんなにも胸に刺さるのだろうか、と思わされる。

どこまでもきらきらしていて楽しませてくれるのに、浮ついていない。まるで、“こんな誰にでも好かれるクラスの人気者に、自分が恋するなんて思っていなかったのに、もう気になって仕方ないー!”と気付いてしまった時の気持ちのよう。そしてこんな愛しさなら、これからも大歓迎、と思えるのだ。

[Alexandros]



隅々まで熱気を帯びたEARTH STAGEに登場したのは、[Alexandros]。「ムーンソング」の前奏が始まると、一気に歓声が会場中を包み込む。そのメロディも歌詞も壮大で、静かに澄んだ夜空に浮かぶ月を想像させるのに、押し寄せてくるのは熱い興奮と、これから始まる素晴らしい時間への期待ばかりだ。


その後も、ドラマの主題歌となった「Girl A」、ヒップホップの要素も感じさせる「Kaiju」と、11月にリリースされたアルバム「EXIST!」から、会場のボルテージを上げる曲が惜しみなく披露される。あらためて、2016年も大きな飛躍を見せた彼らの活躍と、曲ごとに全く違う色を爆発させる自由さ、底知れぬポテンシャルの高さに圧倒される。





「Kick&Spin」でEARTH STAGEを巨大なダンスフロアにした後は、新曲「SNOW SOUND」を披露。しっとりと静かに雪が積もって行くように、歌声と演奏が会場中に染み渡っていく。イントロからライブならではのアレンジが光る「Run Away」、「Starrrrrrr」と畳み掛ける。さらに川上 洋平(VOCAL & GUITAR)が「ワタリドリ」の1フレーズを歌ってオーディエンスを沸かせた後、「Dracula La」で大団円を迎えた。


他のメンバーがステージを去った後、川上が弾き語りで「12/26以降の年末ソング」の1フレーズを披露するという、嬉しいサプライズ。“あと少しで今年も終わるけど ああ何か 忘れてないか 愛想笑いで頑張った自分を 少し褒めてあげよう”という歌詞が心に沁みる。慌ただしく過ぎ、次の年の目標へと意識が向きがちな年末だが、まずはこの1年も頑張った自分を褒めてあげたい。そしてまた、次の年が終わる頃も、彼らの音楽がそばにあって欲しいと思わされた。

(文:竹内歩)

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