
幼稚園の先生は、特に子ども好きな人にとって憧れの仕事です。子どものお世話をするだけでなく、適切な教育を提供する役目を担っており、仕事に就くには専門的な資格が必要です。
本記事では、幼稚園の先生の仕事内容と求められる資格などについてご紹介します。
幼稚園の先生(幼稚園教諭)の仕事内容
まず、幼稚園の先生の仕事内容について知っておきましょう。
幼稚園の先生は、満3歳から小学校入学前の子どもの教育を担当します。メインの仕事は、幼稚園教育要領に基づき作成された幼稚園独自のカリキュラムに沿い、幼児の健全な育成・教育をサポートすることです。
運動や音楽、英語などの教育活動を行うとともに、子どもたちの生活全般のサポートや指導を行います。また、保護者対応や園内の清掃業務、クラスだよりの作成なども幼稚園の先生の仕事です。ほかにも、年間行事の企画・運営、教育活動の準備、備品の管理といった細かな仕事も含まれます。
遊びを通じて子どもの協調性や自律性を育てるため、一人ひとりの子どもの個性を把握し接することが求められます。
保育士との違い
保育士と幼稚園の先生では、必要な資格・担当する子どもの年齢等に違いがあります。
【必要な資格】
幼稚園の先生は「幼稚園教諭免許状」が必要なのに対して、保育士は「保育士資格」が求められます。
【子どもの年齢】
幼稚園の先生は満3歳からの子どもを担当しますが、保育士は保育園によって0歳児から小学校就学前の幼児を担当します。子どもの年齢にあわせ、求められる役割や専門知識が異なります。
【勤務先】
幼稚園の先生が幼稚園や認可子ども園で勤務するのに対して、保育士は保育園、託児所、乳児院が主な勤務先となります。保育士は保育所保育指針に従い必要な教育・生活サポートを行います。
なかには、保育士と幼稚園教諭の二つの資格を取得している人もいます。その場合、勤務先の選択肢が広がり、転職活動で有利になるでしょう。
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幼稚園の先生として働くメリットとデメリット
幼稚園の先生として働くときに感じられるやりがいや、大変さについて見てみましょう。
メリット
幼稚園の先生の大きなやりがいは、担当する子どもの成長を間近で見られる点です。子どもの成長は早く、3歳で入園した子どもたちも卒園する頃にはすっかり「お姉さん」「お兄さん」として頼もしい姿を見せてくれます。日々の幼稚園生活で見る成長に喜びを感じることはもちろん、卒園式には涙を流す先生も少なくありません。
次に、多様な業務を通じて教育・保育以外のスキルを身につけられる点があげられます。たとえば、行事の企画・運営ではスケジュール管理能力やプロジェクト管理能力が鍛えられます。
幼児の健康管理と保護者の対応を通じ、相手の要望を汲み取るコミュニケーションスキルも磨かれます。幼稚園の先生として身に着けたスキルは別の業界・職種で活かせる可能性もあります。
また、幼稚園には夏休みや冬休みといった長期休暇があり、年間を通してメリハリのある働き方ができる点もメリットです。
幼稚園の先生は、子どもの細かい変化に気づける観察力を持ち、そもそも子どもが好きな人に向いている仕事といえます。また、教育を通じて子どもを楽しませることが幼稚園の先生の役割の一つです。そのため、「誰かの喜ぶ顔を見るのが好き」という人も、仕事を通じてやりがいを感じやすいでしょう。
なお、幼稚園の先生の免許を持っていない・将来的に取得を考えている人は、補助要員として働き、幼稚園の先生を目指すという選択肢があります。
デメリット
幼稚園の先生の大変さの一つは、体力が求められる仕事であること。子どもとの外遊びや行事等では身体を動かすことが多いため、体力に自信があるという人に向いています。特に、年中・年長になると体力もつき身体を動かすことがぐっと増えます。また、先生は行動や言葉遣いなど子どもにとって「お手本」となる存在です。その緊張感や、さらに保護者との対応でストレスを感じる場面も伴うでしょう。
幼稚園によっては、持ち帰りの仕事があることもあり、表に出ている業務以上の負担を感じることもあります。また、音楽・体育・絵画・運動など、幅広い技術力と指導力を養う必要があります。
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幼稚園の先生になる方法
では、幼稚園の先生になるにはどのように資格を取得したらいいでしょうか。
資格の種類
幼稚園の先生になるための資格は3種類あります。
・一種免許状:4年制大学で必要な単位を修了し卒業後に取得できます。
・二種免許状:短期大学や専門学校、通信制の大学で必要な単位を修了し卒業後に取得できます。
・専修免許状:4年制大学卒業後、大学院にて修士課程を修了した人が取得できます。
幼稚園の先生として働くうえで、免許の種類による違いはほぼありません。ただし、園長先生になるには、一種免許状または専修免許状を取得しており、さらに教育に関する職で5年以上の経験が必要です。また、幼稚園によっては一種と二種の間で待遇に差がある場合もあります。
資格を取得する際の流れ
保育系や教育系の学校では、卒業すると、幼稚園教師・保育士の資格が取得できるのが一般的です。幼稚園の先生になりたいという人は、大学・専門学校を選択する際に、学ぶことでどのような資格を取得できるのかを確認するといいでしょう。
また、認定こども園法が改正され2025年3月まで、特例として保育士の資格を持っている方は、「3年以上の実務経験」および「必要な単位取得」で幼稚園教員免許状が取得できるようになっています。
まとめ
幼稚園の先生は、子どもの成長を支える重要な仕事です。日々のお世話だけでなく、教育の場を的確に実践できる専門知識や技術が求められます。幼稚園の先生になるには、大学や短大、専門学校での学習が求められるため、進路を検討する際に卒業後に取得できる免許状を確認するとよいでしょう。
2023年2月9日公開
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