womoなでしこSTORY。今きらきらと働く静岡の女性社会人を訪ね、学生時代のアルバイト経験が今どのように役立っているのかを連載でインタビュー。
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「いろんなアルバイトをしたから新しい自分を見つけられました」
FMラジオ「ボイス・キュー」勤務  山田 実里 Yamada Misato PROFILE
1973年、下田市出身。地元短大卒業後、商社事務職やカーディーラーのショールーム勤務を経て 29歳で三島・函南地区のコミュニティFM局「ボイス・キュー」へ転職。 番組パーソナリティやディレクター業務にも携わりつつ、現在は番組スポンサーを集める営業部・係長を務めている。
なでしこへの一問一答
Q.1 コミュニティFMって何?

特定の市町村に放送エリアを限定した、地域密着型のラジオ局です。
三島・函南地区をカバーするボイスキューは、スタッフのほとんどが地元採用。
パーソナリティも地元の政治家や大学教授、
専業主婦やお坊さんまでと多彩な人選です。
地域の人に親しまれる番組作りを目指しています。


Q.2 初バイトは何を重視した?

時給だったと思います。
どうしてもギターが買いたくて、
高校に入学してすぐお弁当屋さんで朝の仕込みのバイトをしました。
当時ファーストフードが500円台のときに時給800円!
15歳の私にとってはものすごい高給に思えました(笑)。


Q.3 海外で働いた経験がある?

短大卒業後、本当は留学したかったんですけどその時は夢が叶わなくて…。
事務職を4年間勤めた後、
ワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアに渡りました。


Q.4 ワーキングホリデーの魅力は?

就労ビザも兼ねた長期滞在ができるビザを取得し、
滞在費を稼ぎながら現地の人と友好を深められるのがワーキングホリデーです。
渡航先のオーストラリア人はもちろん、アメリカやヨーロッパ、アジアまで、
世界中から集まってきたバックパッカーと友達になれましたよ。
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なでしこの素顔
仕事がデキル、バッグの中身教えて!
 ケイタイはキャリアの違うもので2台。手帳もプライベート用と仕事用の2冊に分けています。あと必ず持ち歩いているのがお客様に差し上げるボイスキューのオリジナルグッズ。ロゴの入ったステッカーやクリアファイル、メジャーなんかの変わりダネもあって評判いいですよ(笑)。環境に優しいエコバッグも常備しています。
バイト選びの基準は知らない世界を体験できること
ー 山田さんはたくさんのバイトを経験したそうですね。
「はい、お弁当屋さんの初バイトを皮切りにコンビニ、家庭教師、
ブライダルスタッフ、イベントスタッフ、交通量調査、大型観光ホテル。
変わったところでは水族館や遊園地なんかもありましたね。
どれも短期で、やったことのないバイトばかり選んでました」
ー わぁ、いろんなバイトがありますね。それに珍しい場所も!
「はい、私の住んでいた三島は伊豆に近いので観光施設が多いんですよ。
だから夏休みとか冬休みになると、水族館とか遊園地のバイト募集がたくさん出てくるんです。
ただ思ったより仕事内容は普通で(笑)。
水族館はレストランのホールスタッフ、遊園地はチケット切り、
ホテルは部屋を掃除するハウスキーピング、って感じでした。
友達といっしょでOKだったのでイベント気分で楽しかったですよ」
ー 短期が多いと、その都度新しいバイト先に行くのが面倒、なんて思いませんでしたか?
「いろんな場所のいろんな人に会えるのが楽しくてたまらなかったので、
面倒だとか気後れすることはなかったですね。
こういう仕事は学生の今しかできないからって考えていたので。
自分が将来何になりたいか、はっきりとした目標がなかったので、
バイトを通して世の中を知りたい気持ち、好奇心が強かったんだと思います。
いつも時間とチャンスさえあればできるだけ違うジャンルのバイトをして
自分の可能性を探そうとしてました」
ー そうなんですね。なかでも大変だったなあ、と感じたバイトはありましたか?
「家庭教師は続きませんでしたね。
中学生の英語と数学を教えていたんですが、受験生ばかりだったのでプレッシャーが大きくて。
しかもこうだよって教えたあとに『どうして?』って
別の角度の説明を求められると、うーーーん・・・。
とくに数学の公式で解き方が決まってるときは行き詰ってしまってツラかったです。
私もギモンには思うけど、これはこういうものなんだよ、
位にしか言ってあげられなかったですね」
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自由時間も、時にはチップも! バス補助員はおトクなバイト
ー ではこれはラッキーだなあ、トクしたかも、なんてバイトもありましたか?
「はい、バスの補助員がいちばん良かったですね」
ー あまり聞いたことのないバイトですね?
「ええ、これは応募したんじゃなくて
知り合いのツテで紹介されたバイトなんですけど。
バスの中には学校の遠足や修学旅行、会社の社員旅行や結婚式の出席者移動用などで使われる、
いわゆるチャーターバスっていうのがあって。
バスが一定の距離以上を運行するときは、
運転手にプラス補助員が乗車していなければならない法令があるらしいんです。
お客様から長距離バスのオーダーが来たときに私に連絡が入って、
この日スケジュールが合えばどうですかって。
都合があえばその都度乗車しに行くって感じでやっていました」
ー バスガイドさんみたいな仕事、と思えばいいのでしょうか?
「いえいえ、補助員の仕事は目的地までお客様を無事送り届けること。
一般にバスガイドさんがしている観光案内業務は全くないんですよ。
出発前の車内清掃や旅程で必要な小銭の用意、お茶のセッティング。
あとは走り出したあとのお客様のお世話がメイン。
気分が悪くなってしまった人に薬をあげたり、乗降時の人数確認だったり。
特別難しいものではないんです」
ー へぇー、そんなバイトもあるんですね。仕事は楽しかったですか?
「行き先が東京の遊園地の時なんか、ものすごくウキウキでした。
だって午前中に着いてお客様が園内に遊びに出かけたら、
あとは帰りの時間まで丸まる自由時間。
園内で遊んでも、車内で寝ててもいいんです。
それなのにその時間も拘束されてるということで、
待ち時間もずっと時給が発生するんです。
これってやっぱりかなりの役得ですよね(笑)」
「東京の高級ホテルへ結婚式に向かうご親族のバスに乗車したとき。
新婦さんのお母様らしき方がササッとこちらに寄って来て
『今日はよろしくお願いします』ってぽち袋を渡されたんです。
以前ホテルのバイトでチップをもらった経験はあったんですけど、
ここでは全く予想していなくて驚きました。
思わず受け取ってしまったものの、良かったのかなぁ…って
後から心配になってきてしまって。
運転手さんに報告したら、ありがたくいただきなさい、
と言ってもらえてホッとしました(笑)。
中身はなんと1万円。
この運行の日給は8000円位ですから、お給料が一気に倍以上になっちゃいました」
ー 逆に困ったことはありましたか?
「そうですね、成田空港に行くバスなんか、
朝イチの飛行機の出発時間に間に合うようにものすごく早起きして集合しなきゃいけなくて。
まだ真っ暗い冬の朝はホント寒かったですよ。
それにお客様に観光案内を求められたときは、
身の置きどころがないというか…。
ある程度仕事に慣れてきても、専門知識がないのでどうにもならないんです。
いくら私服に腕章を着けただけのバイトとはいえ、
期待してくるお客様の気持ちも分かるだけに責任を感じてせつなかったです」
「結婚式のお客様はたいがい車内で宴会がはじまって、
私にもお酒をすすめてくるんです。
でも仕事上絶対に飲むことはできない。
せっかくのおめでたい雰囲気なのに悪いなぁ、
と分かっていながらもお断りしするしかなくて。
今思えばお客様のためにもっと何か工夫できたんじゃないか、
もっと上手な断り方があったんじゃないかな、と。
当時は『仕事中ですから』みたいな愛想のない対応しかできなかったんですよね…。
でも途中立ち寄るインターチェンジのおみやげ売り場のおばちゃんに
『いつもアンタの会社にはお世話になってるから』
っていっぱいオマケしてもらえて急に元気を取り戻したり(笑)。
その言葉の裏に、初めて会う人でも、腕章一つでも、1日だけのアルバイトでも、
会社の看板を背負っているんだなという責任を実感したものです」
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ワーキングホリデーで海外へ。現地ホテルのフロントで働く
ー 山田さんはワーキングホリデーの経験もあるそうですね。
「はい、短大卒業時に留学できなかった思いがずっと残っていて。
商社で働いていたとき休暇で出かけたオーストラリアがとても気に入ったんです。
会社を退職したあと思い切ってワーキングホリデーでオーストラリアに渡りました」
ー 現地ではどんな風に過ごしたのですか。
「はじめは親戚のおばさんの紹介で日本人の奥さまと
オーストラリア人のご主人の家庭にホームステイさせてもらいました。
英語はぜんぜんダメで。
英検3級のまま行ってしまったので(笑)。
2ヶ月間必死に勉強して、
3ヶ月目から旅をしながら宿泊先のホテルで、自然と仕事にありつきました」
ー すごいチャレンジ精神ですね。仕事ってすぐ見つかるものなんですか?
「現地で仲良くなったバックパッカーたちは飲食店や日雇いの道路工事で稼いでました。
オーストラリアは彼らが泊まるような1泊1000円程度のホテルがたくさんあるんです。
私はそういうホテルと交渉して、
部屋と食事を提供してもらう代わりにホテルの雑務を手伝うようにしたんです」
「モップでフローリングの床を拭いて、トイレ掃除もしましたよ。
なかでもフロント業務は楽しかったです。
英語は相変わらず苦手でしたけど、お客様に聞くことは人数・何泊・カードや
ディスカウントの有無のあたりで、だいたい決まっているのでなんとかなりました。
ツアーの説明みたいに込み入ったことを聞かれてるな、
と思ったら奥のオーストラリア人を呼んでバトンタッチして(笑)」
ー 滞在中、不安になるときはありませんでしたか?
「居場所がないかも、と感じるときもありましたよ。
そういう時はなんとか共通の話題を見つけて、
お客さんの輪に入っていくように努力しました。
たとえば今日はイタリア人のチェックインが多いな、
と思ったら夜は『イタリアンナイト』にしようって決定。
仲間から5ドルずつ集めてピザやパスタを用意して、私は日本の料理を作っておもてなし。
お酒を飲みながらそれぞれ自国の話で盛り上がるんです。
自分から仲良くしようとすれば、たいがい受け入れてもらえましたね。
このときの経験が自分の自信になった気がしています」
ー なるほど。山田さんのこういった経験は、現在の仕事をする上で役立っていますか?
「はい、ワーキングホリデーも学生時代のたくさんのバイトも、
私の引き出しをいっぱい広げてくれました。
だから今仕事で全然知らない職種や会社の人とお会いしても、
何かしら共通の話題をみつけて話ができるのだと思います。
昔のバイト先が今の仕事の取材先やお客さんになってくれることもあり、
学生時代お世話になった方に再会できたことも嬉しかったです」
「それと大きいのが、もし意見の食い違いがあったとしても必ず分かってくれる人はいる、
と思えるようになったこと。
それは海外でも日本のいろんなバイト先でも同じでした。
私はいろんな場所で、いろんな仕事をすることで、
新たに見つかる自分がきっと誰にでもあるんじゃないかと思うんです」